フードデリバリーを副業として始めたいと思っても「実際どのくらい稼げるのか?」は気になるポイントですよね。YouTubeやSNSではさまざまな声があるものの、エリアや働き方によって収入には差が出ます。本記事では、一般的に語られる目安に加えて、大阪郊外エリアでの実体験も交えながら、フードデリバリー副業の収入の目安を解説します。
1件あたりの単価の目安
フードデリバリーの配達報酬は、プラットフォームごとに基準が設けられています。Uber Eatsの場合は、基本的に1件あたりの最低報酬は320円からが目安です。出前館やmenuなど、他のサービスも同様に数百円台が基準になっています。
この最低報酬に対して、配達距離やピックアップ地点(飲食店)からドロップ地点(顧客)までのルートによって金額が加算されます。都市部や繁華街では短距離案件が多く、効率的に件数をこなせる反面、郊外では距離が長くなりがちで報酬単価も変動します。
また、フードデリバリー特有の仕組みとして「ダイナミックプライシング(報酬変動制)」があります。需要と供給のバランスによって報酬が増減し、注文が集中する状況では単価が大きく跳ね上がることもあります。例えば、以下のようなケースです。
- 雨や強風、積雪といった悪天候の日
- 大型連休の最終日や週末の夜などの注文が集中する時間帯
- 元旦・クリスマスイブなどの特別な日
こうしたタイミングでは、1件あたりの報酬が600円〜1,000円以上になることもあり、短時間でも効率的に稼げる可能性があります。ただし、この上振れは再現性が低く、いわば「ボーナス報酬」や「ギャンブル要素」に近いものです。
そのため、フードデリバリーを安定した副業収入源と考えるなら、「最低報酬+平均的な距離」でのシミュレーションを基準にするのが現実的です。例えば、1件あたり平均400円程度で計算しておくと、実際の稼働結果との差が少なくなります。
※報酬体系や計算式は地域・時期によって見直される場合があります。
1時間あたりの平均収入

フードデリバリーの収入は「件数 × 単価」で決まるため、1時間あたりの目安は稼働環境や時間帯によって変動します。現在の相場は分単価20〜22円程度で、これは1時間あたり1,200〜1,300円前後に相当します。
もちろん条件次第では、この水準を大きく上回ることもあります。ランチタイムやディナータイムなどのピークタイムに注文が集中すれば、時給1,500〜1,800円以上になるケースも珍しくありません。さらに雨天や休日の夜など、配達員が不足しやすいタイミングでは、時給換算で2,000円を超えることもあります。
ただし、こうした高時給は毎回再現できるものではありません。収入はレストラン側の状況にも大きく左右されます。例えば、配達員が到着してから調理を始める、いわゆる「地雷店」に当たると、数十分待たされてしまい効率が一気に崩れることもあります。逆に、注文から受け渡しまでがスムーズな店舗を見極めれば、1時間あたりの件数を安定させやすくなります。
安定的に稼ぐためには、単価の高さだけに注目するのではなく、「待機時間をいかに減らすか」「効率的な時間帯・エリアを選ぶか」が重要です。実際に多くの配達員は、件数を増やせるエリアや時間帯を分析し、自分なりの「稼げるパターン」を作っています。
1日4時間・週3日働いた場合の月収例

副業としてよくあるのが「平日夜や週末に数時間だけ働くスタイル」です。一般的な目安として、1日4時間 × 週3日稼働で月5〜7万円前後がひとつの基準になります。これは学生や会社員の副業としても現実的なラインです。
もちろん、この金額はあくまで平均的な水準であり、稼働条件によって変動します。フードデリバリーにはダイナミックプライシングという仕組みがあるため、天候や時間帯、注文の集中具合によって報酬単価が大きく跳ね上がることもあれば、逆に落ち込むこともあります。つまり、稼げる日と稼げない日の差が大きく、毎月安定して同じ金額を得るのは難しいのが実情です。
エリアによっても差は顕著です。都市部の繁華街では注文数が多く件数をこなしやすい一方、郊外や地方では移動距離が長くなり、件数をこなせず平均時給が下がりやすい傾向があります。そのため、自分が活動する地域の「稼げる時間帯・エリア」を把握することが安定収入につながります。
私自身の例を挙げると、大阪郊外エリアで早朝の2時間と雨天時のピークタイムの2時間を集中的に稼働するスタイルを取っています。この働き方でも、平均して月5万円前後の収入を得られています。週3〜4日、無理なく続けられる範囲で取り組んでも、副収入としては十分な手応えを感じられます。
副業として安定した成果を出すためには「ダイナミックプライシングに左右されない基準値(最低単価 × 件数)」をベースにシミュレーションし、そこにプラスアルファのボーナス要素を期待するくらいの姿勢が現実的です。
稼げる人と稼げない人の違い

フードデリバリーは、案件の選び方や動き方によって効率が大きく変わります。同じ時間を稼働しても、稼げる人と稼げない人では収入に大きな差がつくのが特徴です。
稼げる人の特徴
- 需要の高い時間帯やエリアを把握して稼働している(ランチ・ディナー、駅前や繁華街など)
- 案件を「単価だけ」ではなく距離や時間効率で判断している
- 「待機時間を減らす工夫」(複数アプリ同時稼働、効率的なルート選択)をしている
- 天候やイベントなどの特需を狙って稼働する柔軟さがある
稼げない人の特徴
- 案件を選びすぎる(高単価オファーばかり狙う → 待機時間が増える)
- ピークタイム以外にダラダラ稼働し、件数が伸びない
- 移動距離や時間を意識せずにオファーを受け、結果的に時給換算が下がる
- 配達エリアの特性を理解せず、効率の悪い立ち回りをしてしまう
大切なのは「数をこなすこと」と「無駄な時間を減らすこと」です。<br>
単価の高さだけに注目するのではなく、トータルでどれだけ案件をこなせるかが収入に直結します。経験を積むことで「稼げる立ち回りパターン」が見えてくるので、最初は数を重ねて感覚を掴むことが重要です。
注意点(配達エリア・時間帯・体力)

最後に、実際に稼働するうえでの注意点も紹介しておきます。フードデリバリーは「自由に働ける副業」とはいえ、効率や安全に影響するポイントを押さえておかないと、思った以上に消耗してしまいます。
配達エリアの注意点
まず注意したいのがタワーマンションやオフィスビルへの配達です。入館手続きに時間がかかることが多く、さらに業者専用エレベーターが1基しかなく他の宅配業者と重なると、入館から退館までに数十分かかることもあります。単価が高くない案件でこうした場所に当たると、効率が大きく下がる原因になります。
また、エリア選び自体も重要です。繁華街や駅周辺など注文が集中しやすい場所で稼働すれば件数を安定させやすいですが、郊外では移動距離が長くなり効率が落ちやすい傾向があります。
時間帯の注意点
フードデリバリーは時間帯による差が大きい副業です。特に深夜帯は注意が必要で、飲食店の営業が少なくなるため案件数が激減します。さらに配達報酬に深夜割増はありません。結果として、体力的な負担だけが増えてしまい、副業としてはおすすめしにくい時間帯です。
逆に、ランチタイム(11〜14時)やディナータイム(18〜21時)は注文が集中するため、短時間でも効率よく稼げる時間帯です。
体力・天候の注意点
さらに、天候リスクも見逃せません。雨や雪の日は配達員が減りやすく、報酬単価が上がるチャンスでもあります。しかしその分だけ体力の消耗や事故リスクも増えます。長時間稼働を繰り返すと腰痛や膝の負担など体調面への影響も大きくなるため、副業として長く続けたいなら体力面・安全面のケアが欠かせません。
レインウェアや防寒具、自転車・バイクのメンテナンスなど、事前準備をしておくことでリスクを最小限に抑えられます。
「どこで・いつ・どのように稼働するか」を意識するだけで効率も安全性も大きく変わります。副業として無理なく続けたい人ほど、この3つの注意点は意識しておきましょう。
まとめ|フードデリバリー副業は月5万円前後が現実的な目安

フードデリバリーは、参入障壁が低く成果を得やすい副業ですが、収入はエリア・時間帯・案件の効率によって大きく変動します。一般的な目安としては、週3日・1日4時間の稼働で月5〜7万円前後が現実的なレンジです。
私自身のケースでは、大阪郊外エリアで「早朝2時間と雨天ピーク2時間」というスタイルを継続することで、月に5万円前後を安定的に稼げています。副業としては十分な額であり、短時間でも現金化のスピードが早い点は他の副業にない魅力だと感じます。
一方で、案件を選びすぎて待機時間が長くなったり、タワーマンションのように入館・移動に時間がかかる案件を受けてしまうと、収入効率は一気に下がります。また、深夜稼働には割増がなく、体力面の負担だけが増えるため、副業としては効率が良いとはいえません。
これからフードデリバリーを始める方は、「安定収入」ではなく「副収入」として考えるのがおすすめです。副業初心者にとって最初の一歩を踏み出しやすく、月数万円を現金化できるスピード感は大きなメリットです。
まずは無理のない範囲で稼働を試し、自分の生活スタイルや体力に合った稼ぎ方を見つけることが、長く続けるコツになります。